広島AMR
未来の子供たちを守りたい
広島AMRは2025年6月に広島大学国際医療研究会COCOの有志によって設立された、
薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)について考えるチームです。
広島大学国際医療研究会COCOは2013年に設立された広島大学の公式サークルで、国際医療に関心のある学生が主に集まり、講演会や国内外のスタディツアーを行ってきました。
その活動の中でも小児に興味がある学生が集まり、「未来の子供たちを守るために私たちができること」を考え、医療系学部1年生から5年生15人が集まってAMRというテーマに日々向き合って活動しています。
AMRの現状
抗菌薬(抗微生物剤)の不適正使用により、抗菌薬が効かなくなる、あるいは効きにくくなることを「薬剤耐性(AMR: Antimicrobial Resistance)」といいます。
AMRに対して、このまま何も対策がとられないと、2050年には全世界でAMR関連の死亡者数は毎年1,000万人に上り、がんによる死亡者数を上回ると言われています。
日本でも厚生労働省が「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023–2027)」を策定し、
普及啓発や感染予防、適正使用の推進などを進めています。しかし現状では、医学生でもAMRとは何か答えられない学生が多数いるのも事実であり、市民の認知度は依然として低いままです。(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html)
たとえば2024年の抗菌薬意識調査(AMR臨床リファレンスセンター)では、
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「かぜに抗菌薬は効く」と誤って認識している人:39.0%
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「治ったら抗菌薬は早めにやめる方がよい」と誤解している人:43.2%
という結果が出ています。
さらに2023年の抗菌薬意識調査(AMR臨床リファレンスセンター)では、「15歳以下の子どもがいる保護者」の方が抗菌薬をとっておいたり人にあげたりした経験が多いという調査結果もあり、子どもへの影響が懸念されます。だからこそ、一般市民、とくに保護者の方への啓発がとても大切です。
知ること、発信すること
「知ること」
ここから全てが始まります。
私たち学生がAMRについて知ることで"自分ごと"として問題意識を持つ。
問題意識を持つことで現場の行動が変わる。
将来、医療の世界に飛び込む私たちだからこそ変えられる未来がある。
そう信じて活動しています。
また、保護者の方にとってもお子さんに処方される抗菌薬の使い方を知ることは、
家庭からできる大切な一歩です。
「発信していくこと」
しかし、私たちが知るだけでは未来は変わりません。
大切なのは、学んだことを社会に「発信すること」です。
AMRは医療従事者だけの問題ではなく、社会全体で向き合わなければならない課題です。
例えば、風邪や軽い感染症で「抗菌薬を処方してほしい」と希望する方は少なくありません。
しかし保護者の方がAMRのリスクを理解し、正しい知識を持つことで、子どもに不要な抗菌薬を使わずにすむ場面が生まれます。これは一人ひとりの子どもを守るだけでなく、未来の世代全体を守ることにつながります。
前述したとおり、国もAMR対策アクションプランを策定し、国を挙げた取り組みを進めています。しかし、どれだけ大きな方針があっても、実際に患者さんと向き合う現場での意識と行動が変わらなければ、AMRの拡大を食い止めることはできません。だからこそ、私たちは「まず現場から、そして社会から」変えていくことが大切だと考えています。
さあ今日から
発信を通して医療者も市民も共に問題意識を持ち、一人ひとりが当事者意識を持って行動する。その積み重ねが、未来の子どもたちを守ることにつながると信じています。私たちはその第一歩として、知り、学び、そして発信し続けていきます。まずは一緒に学ぶことから始めてみませんか?

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